
夢分析は深層心理学で、無意識の心の動きを探る手法のひとつとして研究されたもの。フロイトが創始して、一時期一緒に研究するも後に決別したユングが発展させていった。
フロイトの分析は夢分析に限らず、基本的に無意識の事柄を抑圧と捉えるためか、大雑把に言うと結論が性のコンプレックスに辿り着くものが多く、事象をキーワードに当てはめる形。ユングは相手の話を受け止めたカウンセリング型の分析が主流。
夢に出てくる色は、大体その色のイメージを表している。ただし良いイメージと悪いイメージのどちらを指しているかは夢次第で変わる。
色の印象は人によっても違うけれど、夢の場合はそれが比較的ダイレクトに出る。つまり赤い夢は○○ということよりも、その当人が赤をどう思っているかの印象の方が強い。一般的には好かれる色でも、当人が嫌っていたり、嫌な思い出を抱えている場合、その色が示すのは危険や警告かも知れない。
そのため夢の分析は本当は色々と専門家でも難しく、カウンセリングなどによって、当人が色をどう感じ、どう受け止めているかを長い時間をかけて探る必要がある。

一方、夢は当人がストレートに受け止められない事象などを夢という形で提示したり、警告を促すなどの働きがあるが、受け止めがたい事柄であるが故に、当人にも気が付かない場合が多く、一番自分のことを知っているはずの自分自身でもなかなか正しい意図を読み取ることができない。ある程度の期間、夢日記を付け続けて、夢の傾向やくり返す事象や色やイメージ、人物などのキーワードを細かく分析する必要がある。
ユング自身も自分のフロイトの影響を意識している夢を理解できずに、全く別の解釈をしていたこともあるらしい。プロですら自分の心の中の嫌なことは見ないふりで、見当違いの答えを出してしまう。
かといって念を入れて専門家にかかっても、自分で日記を付け続けても、夢の場合は正しいと断言できる答えを出すのも難しい。
ただし実際はそこまで堅苦しくなくて、夢占い程度の意図で夢を知りたい場合は、黄色い夢は=金運!みたいな気楽なもので充分。仮に悪い占い結果が出たとしても、悪い夢を見たことよりも、それを気にして引きずる影響の方が問題は大きい。
最後に、日本で昔から言われる夢といえば元旦(翌日)に見る初夢の「一富士、二鷹、三茄子」だけれど、これはそれぞれの意味は諸説あるものの、「初夢で見ると縁起がいい」というものを並べただけで、深い解釈はないらしい。江戸時代に言われるようになったそう。
次回:色と夢2 夢の中の色