色と夢2 夢の中の色


前回:色と夢1 夢分析と夢占い

 カラーの夢とモノクロの夢

一般的に人は意識せずにモノクロの夢もカラーの夢も見るけれど、テレビがモノクロだった時代の方が夢の白黒率は高かったという。(ということはテレビのない辺境の地だとモノクロの夢が多いのだろうか。花や自然に囲まれて鮮やかな印象があるけれど)

最近でも、こういったニュースがありました。
ギズモード・ジャパン@30歳以下の夢の色は80%がカラー、でも60歳以上は80%が白黒の夢…という調査結果が明らかに。2011/07/13の記事で、夢の調査をしたところ表題の通りの結果になったらしい。お年寄りの白黒率が高いのは、テレビが白黒世代だった可能性もあるそうな。

元の論文は、Okada, Hitoshi; Matsuoka, Kazuo; Hatakeyama, Takao(論文の名前順)の「Life span differences in color dreaming.」pdfのリンク先は有料なのであった…。記事では触れてないもののよく見ると日本人名と思ったら、海外で発表された論文を逆輸入で記事にしていて、岩手大学の松岡和生教授らの論文でした。


 色覚と夢

目の見えない人の場合、後天的に目の見えなくなった人に尋ねると色を見ていた記憶があるのでカラーの夢も見るという。一方で生まれつき目の見えない人は、色の代わりに音やイメージの夢を見るらしい。(見る、という表現もこの場合適切でないかもしれない)

目の見えない人は触れて確かめる機会が多いせいか、手触りの夢を見たという話もある。こういう「感覚の夢」は逆に目の見える人にはあまりない夢かもしれない。(夢の中で落ちた気がしてびくっとなる現象をスリープスターツ現象と呼ぶけれど、これはかなり違う…)


ちなみに耳の聞こえない人だと色は見えているのでカラーの夢も見そうな。ただし音がなくて会話は現実と同じく手話でやり取りしていたり、自然と通じている(テレパシー?)らしい。その点「夢は都合がよくできている」とのこと。映画を見た後には字幕付きの夢を見たりと夢は学習もする。

目が見える人間でも空を飛んでいたり夢の世界は突拍子もないことが多いけれど、彼らの夢も勿論、そういう突拍子のないことはある。

赤と緑の区別がつきにくいなどの色覚異常(昔の色盲)の場合は、当然ながら本人が見えている色の夢を見る。色覚異常でない人は、彼らを「赤が見えない/緑に見える」のだろうと勘違いするが、正しくは「赤は赤と認識できるが、私たちが見ている色とは違う色に映っている」だけ。なので当人にとっての「赤」の夢を見ている。




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