紅葉の色、秋の色 秋になると紅葉する理由


秋といえば紅葉(こうよう)。当たり前の話ですが葉っぱの色が変わることを言います。でもどうしてそうなるのかという理由は意外と知られていないような気がします。試しに身近な人に聞いてみたところ「枯れてる色?それにしてはカラフルすぎる?」なんて首を捻られました。はたして実際はどうなのか。秋の行楽シーズンに紅葉(もみじ)狩りへ行く前に、色の変わる仕組みの雑学です。

一般に紅葉で見られるのは落葉樹。代表的なのはモミジです。だから紅葉(こうよう)と紅葉(モミジ)は同じ漢字です。紅葉(こうよう)を見に行くことを「紅葉(モミジ)狩り」と言ったりします。紛らわしいです。

モミジ狩りは、葉が落ちる前の色変わりを楽しみます。モミジは赤や黄色やオレンジっぽい色や茶色と種類が豊富ですが、イチョウの葉は緑から黄色に変わります。杉やブナなと茶色になるものもあります。
紅葉(こうよう)というと、赤も黄色も茶色も緑も全部のグラデーションを含めて言うことが多いですが、「紅」葉というように、これは厳密には赤く変わることを言い、黄色は「黄葉」と呼ぶそうです。茶色は「褐葉」。

寒いほど冬が先に来るため、紅葉は寒い北国から徐々に南下します。時期は9月から11月終わりくらいまで。地域によって見所は変わりますので、観光で行く時は事前に行き先の状況の確認が必要です。

さてここからが本命。

 では何故、秋に紅葉(こうよう)するのか?

秋は気温が下がり光合成の機能が低下しますが、紅葉することで太陽光を吸収し、葉緑体に直射太陽の光が当たらないよう(強すぎる光で葉が日焼けしないように)守るためとされています。

 では色が変わる仕組みは?

緑色の葉っぱの成分がクロロフィル(葉緑素)によるものというのは、小学生の頃に習ったかと思います。
それが秋になると破壊され、葉に含まれる糖類からアントシアンが作られると赤くなり、カロテノイドが目立つようになると黄色くなります。名前が似ているようにカロチンはこれの一種。だからカボチャも黄色をしています。

夜と昼の気温差があるほど葉の色は鮮やかになり、太陽(光)の当たり方によっても変化します。この性質を利用して、人工的に強い光を当てたり、夜は冷蔵庫に入れたりと、気温差を作って紅葉を起こす実験もできるようです。

また秋から冬になるにつれ、鮮やかな葉の色も徐々に茶色くなり枯れていきますが、これは酸化して色が分解されるため。葉が茶色くなるのはフロバフェンという物質が形成されることによります。

イチョウのようにアントシアンを作らない植物もありますが、モミジなどはこれらの性質が混じり合って様々な色を作っています。樹木の種類、環境など様々な要因から、紅葉のグラデーションは作られます。

参考→日本植物生理学会 みんなのひろば
紅葉などで検索すると、より学術的で詳細な答えが見つかります。




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