色と重さ


前に、「やせて見える色」でも、色と重さの関係について触れました。

ざっとおさらいすると、黒は締まって見える色だから細く見える。でも重く見える色。白は膨張色だから太って見えるけど、重さは軽く感じられる色。実際にどちらが「痩せて見えるか」というと、締まって見える黒のほう。

ダイエット効果を狙う場合には、色自体の重さの感覚より、膨張色かそうでないかが重要です。ちなみに白より黄色の方がより膨張して見えるので、この理屈で言うとより太って見えます。

 では色の重さの感覚はどういった時に意識されるか?


色彩とパーソナリティ(著)松岡武」の本では段ボールの色をそれぞれの色に塗った実験の話がありました。NHKの科学番組でやっていた実験の話だそうですが、それによると黒く塗った箱より白く塗った箱の方が軽く感じられたそうです。

別の文献だったと思いますが、そのためにクロネコヤマトは段ボールの色を白くしているという話も見たことがあります。黒猫なのに箱が白色というのには理由があったと!他社のゆうパックなどの箱も白ですが、もしかしたら同じ理屈かもしれません。

前述の実験によると、最も重い黒と最も軽い白の体感重量には二倍の差があるそうで、これはお客さんの感覚だけでなく、運ぶドライバーの心理的な負担も減らし、より多く運ばせて効率化に繋がる効果があるわけです。

 実際に重く感じる色とそうでない色は、どう判断されるのか?


基本的には明度が低いほど重く感じ、明度が高いほど軽く感じます。黒や青や赤の方が、黄色や白より重さを感じやすいといえます。

同じ色系統の場合も同様で、濃い色は重量感・重々しさを感じさせ、明るい淡い色は軽やかさを感じさせます。青より水色の方が軽やかで、黄色よりレモン色の方が更に軽く見えます。

一方で暖色と寒色を比較すると、青系や寒色はスピード感や冷たさを感じさせることから、暖色よりもスピード感、転じて軽やかさを感じさせます。そのため重く感じにくい、となります。

ただし上の段ボールの色の実験によると、「黒・青・赤・紫・橙・緑・黄・白」という順に軽くなるそうなので、荷物の場合と車の場合など、比較するものによっては受け取る感覚も変わるのかもしれません。

ファッションでも全身濃く暗い色だと、うまく行けば重々しく高級感を印象付けられるけれど、失敗すると圧迫感を感じさせて重苦しい人になってしまいます。

色全体を指すと、黒が一番重く感じ、白が一番軽く感じるとされますが、それ以外の色では、色味やトーンや比較する対象によっても変わります。これは実際の重さではなくて「感覚」によるものだから。




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