「赤い」怪談と都市伝説


紫の鏡」の話でちらっと触れましたが、怪談や怖い都市伝説では赤が使われる物語が多いようです。

具体的にはトイレの怪談の「赤いちゃんちゃんこ」「赤い紙青い紙」や「赤マント」などがぱっと思いつきます。青や黄色が対比として出てくることも多いですが、これらの赤は血の比喩で、血まみれになって倒れていたり、亡くなってしまうという怖い話になります。

一方で「赤いマフラー」や「赤い部屋」など、赤い物を身につけている女性が出てくる都市伝説もあります。こちらは直接は血には繋がりませんが、おどろおどろしいものを連想させる色として赤を使っているのでしょうか。

赤がよく使われる理由を分析してみると、いくつかのパターンがあります。

 どうして赤が多いのか?


くり返しになりますが、まず血の比喩としての赤。血まみれ、鮮血など。被害者が「赤く」なって終わる、という悲劇の物語を暗示させている。一方でどれを選んでも何らかの不幸になるとした赤い紙・青い紙のようなパターンも怪談では見かけます。

続いては、そういった赤のイメージだけを使ったおどろおどろしさの比喩

危険を示す色、インパクトのある色として、赤を使っている場合もあるようです。黄色も警告の色ですが、赤の方が圧迫感もあり、血の色でもありと恐ろしさが加わるので、どうしても赤が多いのでしょう。

また、赤は青と対比して女性の色とされています。そうしたことから怖い女のお化けは「赤い○○」と書かれます。口紅や着物やマフラーなど、女性の身に着けるものが赤い怪談は多いです。
これは女性性への畏怖とか、女性の怨恨は深いぞとか、色々な意味がこもっているのかもしれません。また「うちのママは怒ると赤鬼みたい」なんて言いますが、こういうヒステリックで怖い女性を示す場合もあったりして?

心理学的にも、赤の色は興奮や緊張の色。ドキドキハラハラを盛り上げてくれるというのもあるのかもしれません。青は逆に冷静の色ですので、怪談を聞いていても冷めてしまうかも。

いずれにしても怪談に赤が多いのは、赤に恐怖や不安を感じさせるイメージを多くの人が持っているからとも言えます。




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