プルキンエ効果とライムグリーンの消防車


 プルキンエ効果・現象(他にもプルキニエ効果とかプルキニェ現象とも)とは、19世紀のチェコの生理学者のヤン・エヴァンゲリスタ・プルキンエが解明したことから名付けられた現象で、同じ色でも昼間と夜では見え方が変わるということ。同じ明るさの赤と青を薄暗い場所で見ると赤の方が暗く青の方が明るく見えるということだけれど、特に昼間は目立つ「赤色」が夕暮れ以降は見えづらくなる点を指すことが多い。

 赤は膨張色で迫ってくる色で太陽の下では鮮やかだけど、日が落ちるとくすんで黒っぽく見えにくくなる。

どちらも似たようなゴチャゴチャした小花の写真だけど、右は元画像から「明るさだけ50%下げた」もの。確かに赤の方は暗くすると沈んで見えて、青色の方はまだ鮮やかに見える…ような?

 「黄緑色」の項目でも触れたが、海外ではこの現象故に(夜は)見え難くなる赤色の消防車やパトカーなど緊急車両の色を、可視性を上げる黄緑色(明るいライムイエロー)にする例もある。1970年代のニューヨークの眼科医Stephen Solomonの提案によるもので、アメリカの他、ロンドンでもある。「fireengine green」「fireengine chartreuse」などで画像検索すると、黄緑色の消防車の画像が出てくる。
アメリカのオハイオ州クリーブランドではパトカーが黄緑だったこともあるらしい(現在は戻った?)

 オーストラリア、ニュージーランドの消防車。こちらにも明るい黄緑色のものがある。
参考→wiki@ACT Fire and Rescueの下の方に画像あり。

 「青色@青色防犯灯」も、暖色より青系の灯りの方が夜でも見えやすい(ことから犯罪防止に役立つ)という効果を狙っている。

 またこの現象を反対に応用して、赤色の灯りは夜は見え難い、つまり夜の暗さに慣れるのを妨げ難い色(暗順応を妨げ難い)ということから、夜に星を観察する天体観測の時などには赤いライトを使う。昔は懐中電灯に赤いセロファンを被せていたけれど、今は赤色LEDなどの天文観察用の照明機器も出ている。

 動物園の夜行性動物コーナーでも赤い光が使われることが多い。軍隊の夜間訓練や潜水艦などやはり「暗い場所で夜目に慣れさせる」訓練でも、赤い照明を使うらしい。




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